shamigashu

@shamigashu
日々の呻き
No.500, No.497, No.496, No.495, No.494, No.493, No.492[7件]
  • Posts
  • Media
  • Archives
  • Tags
異常二次創作で走り抜けたいので、ヤカラの池上がなんか他の組のやつにめちゃくちゃに轢かれて死んだあとになんか知らんが数十年前の夏の中に立っていて、ショタ魚住が声かけてくるからヘキ的にも終わる#池魚 ってやつみたいですしね(池上はペドではない)(でも夏だし…)(は?)
きっと死にかけの脳みそが見せてるだけでこの夏もいずれ終わるのだろうがもはやそんなことどうだっていい…
#槌円
スラッシュ禅問答

槌屋木一の短い人生で形あるものを手に入れることは多くなかった。例えば宮大工としての技術とか、中学時代に土下座をしてでも入ったサッカー部での経験は明確な形で木一の手に残らず、結果のみが肉体から離れて証明されていた。だからこそ初めてのことで「こんなこと誰にも言えないっすね」木一は狼狽えて円城を見下ろすしかできなかった。指先に引っ掛かった存在の網を、果たして引き上げてもいいのかと。「円城」確かめるように口にすると、円城が揶揄い混じりに笑い返す。「なんすか、甘えたそうな顔してますよ」「いや……」言い淀んだ様子に円城は小さく声を上げると、木一に背いてうつ伏せに転がった。円城、と木一が背を撫でるも円城は喉で笑っただけだ。「言わなきゃ甘やかしてあげないっす」唸り頸に口を寄せても円城は木一の言葉を促すだけで、本当に言えばいいのかと、これまで考えもしなかった術を疑り脳裏でゆらめく両親の姿を思うが「オレのこと諦めちゃいます?」それは網を引き上げろと言われたも同然に木一の心を突いた。円城が楽しげに笑う、力任せに木一と向かい合わされても気にしてもいない。「甘えてもいいだろうか」細い目が瞼の合間から覗く、首に回された腕に任せて木一は円城と唇を合わせた。「顔ヤバいっすよ、血液全部集まってるんじゃないすか」

円城勝利は木一の腕の中にいて、言葉にさえすれば大体のことを受け入れていたが木一自身の望みは些細なことばかりだった。
「槌屋先輩、もっと強欲にならないと」
「俺は十分だよ」
円城の両手が木一の崩れた髪を梳いて「我慢は体に良くないっすよ」と掻き乱す。身の丈に合わないものを欲しがることが一番燃え上がるのだと。「お前をもっと欲しがっても?」「オレっすか! 仕方ないなあ」考えておきますよ、続けた円城の笑顔に釣られて木一は口を寄せる。触れた唇同士は乾いた感触があった。大会が終わったら。

「それじゃあみんなで打ち上げしましょうよ!」
大会が終わったら、伝えたいことがあった。木一の指が僅かに動く。なんら重みのない指、感覚のこと、網が擦り抜けて遠くへ行ったのだ。目の前にいる後輩が木一を見る顔に、揶揄い混じりの甘やかさが浮かぶことはなかった。行平の言葉が蘇る、彼らの騙す気はなかったのだという声が脳を波打った。円城の存在は切り替わり、木一の手にした形は消え失せたのだ。
「槌屋先輩はどうっすか?」
結末すらなく、あの瞬間は不相応なのだと突きつけられたようでもあったが、「ああ」木一は臆せず笑い返した。慣れ親しんだ木組みと同じだ、木一は勝利との関係を思い描いた。この合間を遊びだとでも思えば良い。互いの譲歩が窪みを作るのだ。
「付き合うよ」
欲しがっていいのだと木一は知っている。△△△