fgo-17

 ころされる。
「うっ…ひぐ、あ…ッ! ァ…ああッ」
 ころされる。
「はひっ、ひっ! や”ぅ”…んぅ、く…!」
 ころされる。
「あ”ッ! あ”あ”…!」
「なあ先生、そっちじゃないだろ、」
「ひぎィ…ッ!」
 ころされる。
 パラケルススは体を焼べられ続けたまま、後ろからいくらか乱暴に抱き寄せてくる腕のなす通りに、ぐったりと身を寄り添わせた。するりと伸ばし縋り付いていた腕がすべり落ちて、揺さぶられるままに垂れ下がる。ぬるく沈み込んだままの視界に広がるものは逞しい男の姿だ、ふつりと汗を浮かばせた顔が、パラケルススの視線に気付くと笑うように歪められる。
「あ”——ッ!」
 大きく音を立て、子宮を圧し潰すように腰を突き上げられ、乾ききった喉からひび割れた声が出た。ごりごりと骨と柔肉を押し開いて中へ埋められているが、パラケルススはまた声を上げやめてくれと懇願した。内臓ごと押し上げられた腹のふくらみが男の動きに合わせて移動する。だがそこで行き止まりだった。男のもの全てを飲み込める広さが、そこにはない。ごつ、と繰り返し奥を抉り込まれる。
「はいらな——ぁ! あ”! むり、でっ…う”あ”ッア”!」
「無理ってなあ、ははっ、キャスター、ちっとばかしの空きがあるじゃないか」
「そこは…ッ! だっだめで、や”だぁ”アッ! ァぎッ〜〜!」
 ずるりと引き抜かれたものが再び勢いをつけて抉りこむと、小さく開き始めていた子宮の口をこじ上げて、その膜の中へと押し入ってくる。ぎちぎちに広がった子宮と膣との痙攣に合わせてパラケルススの体が震える。舌打ちがすぐ傍で鳴らされた。体を抱きとめていた腕が動いて、固さを持つことすら困難になったパラケルススのものを握り込む。ぐちゃぐちゃと性急に擦り上げられると、体を跳ね上がらせてパラケルススの声が毀れた。同時に後孔を広げるように熱が引きずり出され、ぷくりと膨らんだ前立腺を潰すようにして乱暴に奥まで貫かれる。呼吸が儘ならない衝撃は止みそうにもなかった。パラケルススはいま、二人の男に犯されている。
 火の爆ぜた音が、夜の沈み込む森に響いた。ちらちらと揺れる動きをぼんやりと眺めつつ、パラケルススは横に座った男を盗み見た。見慣れた姿だが、まったくの別人である男を。彼はパラケルススが召喚されたカルデアの英霊ではない。だというのに二人きりで森にいるのは、少しばかりの誤りのようなもののせいであった。
「キャスター」男はふいにパラケルススへ向き直り声をかける。
 なんでしょう、と答える。キャスター、その言葉が男から発せられるのは不思議な気持ちであった。パラケルススがよく知る方の男は、いつだって「先生」と口にするからだ。それから恐ろしいほどのこともしてくる。あの男も、隣りにいる男のようにパラケルススに接してくれたのならば、そう考えながら黒い眸をじっと見返す。真黒に爆ぜる火が映り込んで濡れるように光っていた。伸びた手を払うこともせずに、脇腹を撫でる指に顔を傾げる。
「傷は」と。ああ、とパラケルススは頷いた。
「だいぶ。明日には痕も残りませんよ」
「そうだが、まあ、それもあるが……」
 デーモンの爪が切り裂いた腹から、男の指がすっと離された。おぞましい熱を含ませない接触は、パラケルススに新鮮な気持ちを沸き上がらせた。
「私の知るあなたが、あなたのようであればよかったのですが」
 小さく呟いたパラケルススに、男は眉を寄せて笑う。そっちの俺はどんなんだい、と気安く投げかけられる声は心地が良かった。
「どう、といわれては説明がし難いのですが……苦手、でして」
「そんな顔をするほどか。そりゃよっぽどだな」からからと笑う男は、けどなあと言葉を続ける。「まあ、どんなだと聞きはしたが、俺は違いがあまりないんだ。長く付き合うと俺のことも苦手に思うかもしれんぜ」
 そういうものでしょうかと言うパラケルススに、笑みを返して男は立ち上がった。夜もだいぶ深くまできた。見回りをしてくるからおまえさんは少し寝てるといい、そういって姿を消す。パラケルススはいまだ小さく音をたて爆ぜる火を眺めつつ、ゆっくりと目を閉じた。
 腹が掻き混ぜられる。パラケルススは暗闇に包まれながら下腹を無理矢理に拗じ回される感覚に襲われていた。ひどく痛む。呻くパラケルススの手が、なにかに触れた。「キャスター」低い声が耳をつくと、パラケルススは横たわる自分を見やる男を認識した。掴んだ手を握り返されるも、忙しなく脈打つ体は静まりそうにもない。どうにも体が熱くて仕方がない。
「アー、ラシュ」
 ぼうぼうとした思考で男の名を呼ぶ。夜の森で、体はひどく熱く、そんな自分の手を握る男の名は、とひとつひとつをゆっくりと確認して、パラケルススは再びアーラシュと口にした。名を呼ばれた男——アーラシュは、パラケルススの体をそっと抱き上げた。ふつふつと汗が浮き上がり、息が熱い。苦しむパラケルススの手を離すと、薄い腹をそっと撫でた。小さく呻いてパラケルススが震える。
「どくでしょうか」
 舌ったらずな言葉が吐き出される。白い肌をほんのりと染めたパラケルススは助けを請うように、アーラシュの体へと縋りついた。アーラシュの手がベルトを外し、ズボンを脱がしていっても、ふうふうと息をしているだけだ。
「キャスター、ちっと無防備すぎるだろ」
「? な、なにが——ッ、」
 するりと太腿を撫でられてパラケルススは身を固まらせた。
「ともかく、こいつは呪いのせいだと思うぜ」
 くちゅりと粘ついた音がして、アーラシュの指が窄みを撫でた。パラケルススはその場所が信じられなく、混乱した表情を浮べてアーラシュをみやった。
「え……ぁ、ッ?!」
 鈍痛が腹にわだかまった。アーラシュの指がゆっくりとその窄みへと潜りこんでいく。普段、さんざんに嬲られる場所ではなく、その手前に新たに作られた場所へだ。「ぅあッ、あ、」ぐにぐにと広げるように指が動くつど、パラケルススの体は震えた。狭いそこはじわじわと汁を沸き上がらせて湿りを帯びていき、指が動く音をより大きくさせていった。水音が鳴り続けている。パラケルススは熱い呼吸を繰り返しながら、身を燃やす熱が強まっていく感覚に翻弄されていた。
「ん、こっちもすっかりだな」
 アーラシュはそういうと、勃ち上がりとろとろと先走りに濡れたパラケルススのものをそっと握り込んだ。
「ふッ、うッ、うあ…あっ」
 パラケルススは何がどうなっているのかよくわからなかった。屹立を扱かれながら、普段とは別の、新たな場所をぐちゃぐちゃと掻き回される。ヘソの下がじりじりと熱を強めていき、アーラシュの指を締めつけるように力が入ってしまう。指では足りない、とパラケルススは漠然と思った。まともではない、それも分かっている。呪いのせいなのであろうか、パラケルススは得体の知れない飢えを感じていた。熱い、たりない、それらが強く思考を支配している。
「いっ、いれ、て、」
 混乱と茹だった思考のままにパラケルススは言葉を投げかけた。アーラシュが黙ったまま、指で掻き回し続けるのに体を震わせながら、いれて、と懇願するように繰り替えす。けれどもパラケルススの望みものは与えられなかった。はくはくと拙い呼吸をしながら、パラケルススは必死にアーラシュへと身を擦り寄せた。それから股へと手を伸ばして、そこを撫で上げる。アーラシュのひそめた笑い声がふりかかる。
「いれてやってもいいんだが、おまえは俺に何をしてくれるんだ」
 その言葉にパラケルススは必死で縋り付いた。「なんでも」と。「なんだってします」そう口にした。アーラシュの指が抜き取られると、僅かに広がった穴がものをねだるようにひくついた。アーラシュは己のものを取り出して、そこへと押し当てる。はやく、と声を上げてパラケルススは腰をくねらせた。ゆっくりと濡れそぼったそこへアーラシュのものが埋められていく。「先生の贄になってくれ」パラケルススは埋められていく熱に歓ぶよう、腹に手を這わせた。肉をかき分けていたアーラシュのものが、一段とすぼまった場所へと辿りついた。軽く揺さぶると、僅かな反発が肉から返される。腰を掴み、一気に貫くと、ぶつりと何かが切れる音がした。背を仰け反らせてパラケルススは大きく声を上げた。
「アっ! ああ!」
 びゅくりとパラケルススの屹立から白い液が溢れ出た。みちみちと穴を広げたものが、腹を抉りつけるように動く。突き上げられる動きに合わせて、肺から息が吐き出された。アーラシュの背へと腕を回して、体を強く密着させる。ぬちぬちと音を立てて肉を擦り上げられる感覚は、パラケルススの意思を重く塗りつぶしていった。ぽたりと穴からにじみ出た血が地面へと落ちる。後孔まで濡らした汁を擦り付けるようにアーラシュの指が動いた。
「んッ! んぅ…、ッく!」
 ぷちゅんと後孔へ指が入れられる。浅くをぐりぐりと弄られて、パラケルススは高く喉を鳴らす。ぞわぞわと駆け上がる快楽が、脳を溶かそうとしていた。パラケルススはとろりと精液を零し続ける自身へ手を伸ばす。自慰をするように扱きながら、アーラシュのものをくわえこむ穴に力を入れてきゅうきゅうと肉を窄めた。荒く削られた呼吸が耳元で繰り返される。「いいよな」とアーラシュは声にした。
「いいっ! いいです! あっ、あ…! あああ!」
 腹に一段と熱いものが注ぎ込まれた。パラケルススは背をしならせて、最後の一滴までねだるように腰をくねらせる。視界に、ようよう見知った姿が映り込んだ。熱で焼かれ続けていたパラケルススは、己が僅かばかり冷静さを取り戻したことを認識した。
「先生、なにしてるんだい」
 声はかたく冷たい。常に浮べられている笑みはなく、ただ真っ直ぐに二人を見ていた。パラケルススが言葉を返そうとすると、入れられたままのもので軽く揺すぶられる。ひっ、と短く喘ぐ間に、彼はすぐ傍まで歩み寄っていた。起こされた身が熱と恐怖で震えている。後ろからパラケルススの肩に手をそえた男は、耳へ唇を寄せると再び「先生」と声にする。
「あ……、あっ」
 いまだ熱はくすぶっているのに、その存在は冷たくパラケルススの体に巻き付いてむりやりに思考をまともにさせた。精液でべたべたになった腹と、アーラシュのものをくわえこむ場所を呆然を見つめながら、パラケルススは何かを言わなければと口を開いた。
「ひっ——! ぃ”ぎッ!」
 汁と血とでしとどに濡れた後孔に指が突き入れられる。嬲るような動きは、パラケルススをまともに喋らせる気はないようだった。しこりを強く擦りながら、見知ったアーラシュが溜め息をついた。
「目を離すと、すぐにこれだ」
「うあ! あ”ッ! あ”ッあ”ッ!」
 前立腺をこねられて、胎に力がこもった。きゅうきゅうと未だ入れられているアーラシュのものを、刺激するように肉が蠢く。
「こいつは欲張りだな」
「……お前はいつまで先生の中にいる気なんだ?」
「みたままの通りだ」
 アーラシュの声が重なり合っている。パラケルススが刺激から逃れようと目の前の男に抱きつくと、ぐっと割り開かれた後孔へ熱が勢いを伴って入れられた。
「ひっ、ひああああッ!?」
 腹が破れそうな圧迫感にパラケルススは目を見張った。ぐぼぐぼと何度も強く突き上げられる度に、ちかりと脳に光が走る。パラケルススを気にかけない乱暴な動きに、それでも慣らされた体は快楽を拾い上げて熱を再び焼べらせていった。やがて膣に入れられたままのものもゆっくりと動き始めた。
「あ、アッやっ……やだ、だめっ一気にされたら——ッ!」
 体の中をぐちゃぐちゃに掻き回されている。思い思いに動く熱に絶え間なく突き上げられながら、パラケルススはあられもなく声を上げるしかなかった。縋り付いて、唇を舐める舌を迎え入れ、口内すら撫で上げられるのに身を震わせる。うなじに痛みが走った。ころされる。パラケルススは激しい快楽の中で思った。
 パラケルススのものはぴくりと動くだけで何も吐き出すことはなくなってしまった。ぼんやりと声をあげるだけになっても、体を突き上げるものは動きを止めようとはしていなかった。「そんなに悔しかったのかね」と声が落ちた。それは低く馴染んだもので、パラケルススは声の主の名はなんだったかと口を開いた。
「はッ、…ぅ、…あー…ら、しゅ」
「うん? 呼んだかキャスター」
 ガボッと音を立てて、これほどとなく強く後孔が突き上げられた。
「あ”ッ! あ”————ッ!!」反応が薄くなっていたパラケルススが、体を強ばらせて大声を上げた。それはひび割れていて、すっかり枯れきった声だ。見開いた目からほろほろと涙が零れ落ちている。後ろから体を抱きかかえていた手に力が込められて、パラケルススの胸に引っ掻き傷を残していく。がりがりと皮膚に傷がつけられるも、そのことをパラケルススは認識できなかった。くびれるようにすぼまっていたそこへ抉じ開けるように入れられた熱は、子宮まで押し入られたときの同じに激しい快楽を与えてくる。
「先生ッ、違うだろ、なあ……ッ!」
「ひギッ! や”あ”ッ! う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!」
 ゆるゆると膣はかき分けられているのに、後孔は激しく突き上げられている差で、パラケルススの脳は焼き切れそうになっていた。最奥すら抉じ開けた場所を強く打ち付けられる度に、目の前が真っ白になる。もう何もでないと思われていたパラケルススのものから尿が漏れ出て太腿を濡らしていた。きっと腹の中はぐちゃぐちゃになってしまっているのだろう、首筋に走る痛みが僅かばかり意識を目覚めさせた。けれどもパラケルススが考えられることは、いつ終ってくれるのか、それだけだった。