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火矢が焼き尽くし燃え立たせる煙は重く広がり空を覆い隠している。時折気まぐれに裾をちらつかせる光が今は太陽がすべてを照らす時と知る。だが戦場は明るみにされることがない。ただただ息苦しい薄暗さが天蓋だ。…
三次創作なるもの 波の音が絶え間なく追い寄せてきている。波止場に止められた多くの船を見上げながらウルフシャが寄り添う布を抱き寄せた。小さく声が落ちる。細い指がウルフシャの袖を摘んだ。その指をそっと撫…
パラケルススの胸は忙しなく動いている。それでも整わない呼吸は音すら荒削りなものだ。視点を定める気もなく虚ろなままのパラケルススを今一度じっと見つめてからアーラシュは立ち上がった。キッチンへ向かうと棚…
アーラシュの肌の熱さは、パラケルススの体に、よく、馴染んだ。包まれた指先と、耳から潜り込んだ吐息の熱が身の内を満たして、肋骨に守られた心臓をすっかり焼べている気持ちにさせられ、炎を逃がそうと足掻くよ…
7月20日夏休みになりました。今年の自由けんきゅうは、アーラシュを育てたいとおもいます。アーラシュとはなにかというと、5月にひろったたまごからうまれた生ぶつのことです。父さんと母さんにはひみつで育てて…
記憶が確かであるのならば、この両の手を握っていたものはいなかった。ささくれ汚れた木箱からは乾いた音が鳴り続けていて、口を開けばその中で、蛇と、鼠と、虫とが蠢いていた。この体を多くの手が掴み、木箱へと…
ころされる。「うっ…ひぐ、あ…ッ! ァ…ああッ」 ころされる。「はひっ、ひっ! や”ぅ”…んぅ、く…!」 ころされる。「あ”ッ! あ”あ”…!」「なあ先生、そっちじゃないだろ、」「ひぎィ…ッ!」 こ…
「俺の名は、ウルフシャだ」 響きはやけに馴染みが深く、横たわる身が感じている寒さを追い払うように温度があった。掴まれた手はそれを凌駕して焼けるような熱さだ、触れ合う輪郭がざらついた感触を挟み込んでいる…
1. 白く象られた指先が焦らすように熱を撫で上げる、息を詰め、開いた目が捉えたものは薄暗い部屋だ。時計の針が一つ進む音が響いた。起き上がりベッドを降りる。フローリングの冷たさが熱の夢を追えた後では心地…
「次はクリスマスの星、クリスマスの星だ。よい子の乗客樣方は存分に楽しんでくるがいい。なお停車時間は72時間となる」 サンタ衣装に身を包んだ車掌が通路をゆったりと歩んでいく、それを見送ってパラケルススは…