ユノディア
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禁忌の血に潜み奪い尽くした果て生まれたもの、稀人の始まり、ホスローが受け継ぐ静かな血潮。ユーノ・ホスローは風一つまともに遮らぬ小屋で、獣物を狩る蝙蝠の羽搏きを眺めていた。白く沈んだ山嶺の合間、雪の中…
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火山館の熱く蠢く空気とは真逆の、全身が萎縮して潰れるような大気があった。兜の中に蟠る空気を吸い込んでディアロスは隣に立つ男を見るも、反応がないことが分かると目前の景色へと視線を戻した、遙かなる冷たき世…
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深い夜の中、人知れずディアロスは歩いていた。銀糸の豪奢な服を脱ぎ捨てて、暗がりへ紛れる見窄らしい身なりだった。隠れ道を進みながら始まりを思い出す、それはなんとも稚拙な誘いであった。だが、兄の背と影の中…
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ホスローは血潮で物語る。 雪原の持つ静けさの中、ユーノ・ホスローは己自身の夥しい血に溺れながら、見下ろす褪せた瞳を見つめていた。火山館からの刺客であり、この炎戴く雪原で己を殺す褪せ人を。担がれた悍ま…