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1. 白く象られた指先が焦らすように熱を撫で上げる、息を詰め、開いた目が捉えたものは薄暗い部屋だ。時計の針が一つ進む音が響いた。起き上がりベッドを降りる。フローリングの冷たさが熱の夢を追えた後では心地…
「次はクリスマスの星、クリスマスの星だ。よい子の乗客樣方は存分に楽しんでくるがいい。なお停車時間は72時間となる」 サンタ衣装に身を包んだ車掌が通路をゆったりと歩んでいく、それを見送ってパラケルススは…
人通りの少ない通路の奥、物置とすらまともに使われていない部屋。「えっ?! こじろ、え?!」「これはこれは」 稀代の錬金術師は、局員のちんぽをしゃぶっていた。「んぶ♡ぅ、はふっ♡」 小次郎が姿をみせた…
火の海をかき分け走る。走る、走る、走る。空気すら燃え上がった、終末の中を、ただひたすらに走る。鋭く風を切る音が耳をかすめ、矢が足元に突き立てられた。「——ッ!」背後に目を向ける余裕はない、魔術ならと…
さびた柵の向こうには、ちょっと古びた洋館があって、壁にぬられた白いペンキはところどころ剥げていて、そんなものを隠すように蔦がへばりついていた。無造作に生い茂った草は、おれのひざくらいまであって、たま…
時間が切り取られ額に飾られている、そういった風景だった。散策を終えて帰還したアーラシュを迎える部屋は、どこまでも静寂として冷えきり、一切の生気を喪っている。踏み出した音だけが部屋に響くも、すぐさまそ…
「先生の望みを叶える代わりに、俺のおねがいを聞いてくれないか」 霧の晴れぬ朝にはそぐわない陽気な声が、狭い部屋に広がった。机に所狭しと並べられた朝食をリズムよく減らしていた男は、一向に減らない私の皿を…
ひときわ大きな音が鳴り響いてから机が揺れた。パラケルススは興奮のあまり乱れる息を収めようともせずに、歓びで口を歪める。「や、りました……」 乏しい表情しか浮べてこなかった美しい顔が、初めて、花が咲く…
「何故彼らは主へ背を向けられるのだろうか」父の声が、暗闇を追い払うよう光り続ける街灯りの中へと落ちていく。硝子玉のように光を反射して輝く瞳は、しかし昏さを失うことがない。「人々は、主が空へ開けた穴だけ…
登場直後のド捏造 男の目が開いたとき、その奥で像を結ぶものは一切なく暗闇だけが体を這い回るように存在していた。持ち上げた両腕はいやに重く、触れれば手首に何かを嵌められていた。おそらくは手枷だろう、つ…