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地獄と臨む。 煌々と燃え上がる死、その揺らめきの熱はあまりに高く、いのちあらゆるを黒黒と炭へ変貌させていた。いのちが潰れる熱と、支配者のため息。退屈が暗闇としてあたりを覆いつくしていた。泥濘。体を包…
火矢が焼き尽くし燃え立たせる煙は重く広がり空を覆い隠している。時折気まぐれに裾をちらつかせる光が今は太陽がすべてを照らす時と知る。だが戦場は明るみにされることがない。ただただ息苦しい薄暗さが天蓋だ。…
僕はきちんと正気を保っていたので、弾の笑う姿が見えることに、ついに気が触れてしまったんだとよくよく理解をしたのだ。 狭い台所で手際よく動く姿は数年前に見ていたものと変わりはないと感じる。「今日はコロ…
テレビの向こうで円盤が輝いて、牛や羊が空へと吸い上げられていった。ナレーションが挟まれた後に、目や臓器が切り取られた家畜の写真が写り込んだ。どうやら宇宙人の仕業であるらしい。壁に置かれたテレビを眺め…
秒針の音が取り戻せない遠くまで放り投げられて、恒久的に世界が定められてしまったかのようだった。揺れる体躯と部屋中に詰め込まれた旋律を聴きながら、弾はゆっくりと息を吐く。窓から差し込んだ日差しで輝いた…
伸び生える草の合間から、太陽に照らされる水面の光が飛び込んだ。また汚すようにして一点の影が。水面に降り立ち羽ばたく鷹の姿だ。大きく揺れ飛び上がる水面から羽先が覗く。帝一は地に押さえつけられ、犯されな…
赤場帝一が改めてそのギネス級と言われる実物を、しっかりと両の目で見据えたとき、体に落ちたものは落雷であった。自尊心を撃ち壊さんとするひと光が突き抜けて、震え、嗚咽をもらしかけたほどである。おお、ギネ…
三次創作なるもの 波の音が絶え間なく追い寄せてきている。波止場に止められた多くの船を見上げながらウルフシャが寄り添う布を抱き寄せた。小さく声が落ちる。細い指がウルフシャの袖を摘んだ。その指をそっと撫…
戦火の臭いが真っ先に脳へ刻みこまれた。案内された部屋の中で長椅子に横たわり、表紙の折れ曲がった本を読んでいた男は、こちらをほんの僅か強く見つめてから何を言うでもなく視線を本へと戻す。傍らで紹介をする…
パラケルススの胸は忙しなく動いている。それでも整わない呼吸は音すら荒削りなものだ。視点を定める気もなく虚ろなままのパラケルススを今一度じっと見つめてからアーラシュは立ち上がった。キッチンへ向かうと棚…